2016年3月28日月曜日

ハイパーコンバージドインフラストラクチャーとは

日経BPさんの「ITインフラテクノロジーAWARD2016」で、

「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(以下、HCI)」というキーワードが、

1位を受賞したのはついこの前の出来事です。



HCI、盛り上がってきていますね。

調べればあちこちで書かれているようなことですが、

改めて、HCIについて、ここで整理をしてみようと思います。




そもそも統合型の基盤の類は数年前から、

・VCEのVBLOCK

・IBMのPureSystems

・オラクルのExaシリーズ

などが市場に出ていました。


これらは「垂直統合型システム」とか、「コンバージドインフラストラクチャー」

という呼び名で雑誌にも載っていたと記憶しています。

これらは主に従来型のサーバ・SANスイッチ・ストレージを組み合わせ、

チューニングまでした上で提供されるようなものでした。

ある程度作ってあるので、買えばすぐ使えるよ、という感じですね。

しかしながら、規模の面を見たときに、多くの製品が、

”ラック単位”で導入するようなかなり大規模なリソースを

投入するユーザ向けのものだったように思います。

日本市場ではフル搭載ラックを何本も立ててリソースを

用意する様なお客様はそれほど多いわけではなく、

結果として一部での採用に留まったようにも思います。

また、単に組み合わせただけなので、

管理はサーバとストレージと、という形で概ね別れており、

(勿論ある程度のソフトはついていましたが)

誤解を恐れずに言えば、

従来の製品の組み合わせ品でしかなかったように思います。



その後、HCIが出てきました。

こちらは打って変わって、

従来型のサーバ・SANスイッチ・ストレージを組み合わせ・・・ではなく、

ストレージはソフトウェアディファインドにして、

x86のサーバだけでリソースプールを作れるようにしてしまいました。

おかげで、たった2Uという空間を使うだけでも

立派な仮想環境が作れるようになりました。

この規模の観点も、コンバージドとHCIが大きく違うところのように思います。

比較的小さな規模でも入れられるのは、HCIの大きな特徴です。

つまり、日本のようにラック単位の導入とならなくても、

コンバージドされた環境を使える、

そういう意味で、HCIは広くユーザに受け入れられる可能性を

持っているように思います。



このブログ執筆時点では、HCI製品というと、

・先駆者であるNutanix

・EMCのVxRail

・HPEのHC250

あたりが該当するでしょうか。
(日本で取り扱いされているものに限る)

その他、HCI環境を作るソフトウェアにも目を向ければ、

VMwareさんがVSANというソフトウェアを提供しています。

この中で先駆者なのは、Nutanixさんかと思います。

2015年のGartner Magic Quadrant for Integrated Systemsで、

リーダポジションとしてNutanixが位置づけられています。

現状、国内でHCI製品の導入というと、

多くがNutanixになっているのではないでしょうか。

EMCさんもまだ発表されたばかりで、

HC250も後発の状況です。

特にNutanixさんはDELL社やLenovo社がOEM版を提供しており、

そちらの販路もあります。

(Lenovoさんは執筆時点ではまだ提供始めたばかりですが)


今後VSAN活用した製品も本格的にでてくるでしょうから、

HCI市場も様相が変わってくるかもしれませんね。

今後が見逃せません。



今回はHCIの状況を整理してみました。

次回はユーザ視点でHCIの嬉しいことを書いてみようと思います。


では、今回は以上です。