先日、X tour in Osakaというニュータニックスジャパンさん主催のイベント会場でのこと。
あるNutanixを検討されているユーザさんから、
次のようなご質問を頂きました。
「ストレージ通信とサービス通信は分けようと思っているのですが、
やはりわけるべきでしょうか?」
この疑問は多くあります。
この方は、社内でVDI用途としてNutanixを検討されているとのこと。
考え方や気にされている背景も色々と伺いました。
こちらからお伝えしたこととして、
最終的には好みやデザインの考え方次第ですが、
容量的な観点では、パスを10GbEで構成するのであれば、
特に分けることは必須ではないことをお伝えしました。
実際、ストレージパスで、ノード間のデータ配置トラフィックが
非常に多いのでは?という懸念をされる方がいます。
例えばvMotionした時、
仮想マシンのデータローカリティを維持する為に、
一気にデータが移動してしまうと、ストレージパスに
多大な負荷がかかってしまうのではないか?と。
まずvMotionした時に一気にデータが流れるかという方を考えると、
答えはNOです。
ローカリティは維持しようとしますが、
すべてのデータを一斉に引っ越しするのではなく、
順次ローカリティを実現するように移っていきます。
ですので、引っ越ししたからと言って、
高い負荷がかかるようなアクションはしないようになっています。
あと、そもそも論も考えると、
vMotionをする機会は、かなりレアケースだと思います。
何かメンテナンスをするか、DRSをアグレッシブにするか。
DRSも有効化しただけでは、
よほどのことがないと、仮想マシンの移動はしないです。
VDIであっても、アグレッシブまでやるのは、
あまりお勧めではないです。(というか必要性がないかと)
さて、話は戻ってパスをわける話です。
実際、VDIのサービストラフィックってどの程度なのでしょうか?
1デスクトップ、画面転送が1Mbpsも出れば贅沢な方です。
一般的に1ホストは100VDにするのが、
運用面・負荷面等考えると現実的な数なので、
(これ以上は経験からおススメしません)
100Mbpsですね。
あとは外部のシステムでの通信が主体ですが、
現実的に1Gbps以上使うケースは何か動画とか
大容量ファイル転送しない限り不要でしょう。
さて、ストレージの通信ですが、
こっちは使い方次第で、平均がどうとか言えないので、
計算は割愛して、実際テストしてどうだったか、
ということを考えてみます。
LoginVSIというソフトを使い、
かなり過負荷をかけるシナリオをトライしました。
実際の利用環境を疑似的に再現するというテストです。
対象は500VD、シナリオデータが置かれるファイルサーバは、
スイッチ介した、別のクラスター上のWindowsサーバです。
この時、サービス・ストレージ双方の通信合計を見た時に、
最もバーストした時で7Gbpsまででした。
しかも1回だけしか測定されず。
つまり、テスト結果からも、10Gbpsのパスであれば、
ストレージとサービスパスは
帯域面で見た時は分けなくともひっ迫の心配はないようです。
このテストを行った環境は過去3年ほど本番で安定稼働していますが、
帯域不足に出会うこともなく、問題なく動き続けています。
事実ベースではありますが、
10Gbpsのパスは特に分けなくても良さそうだということが
お分かりいただけたでしょうか。
なお、モデルによって、例えばNX-1065とかだと、
1Gbpsで構成することもサポートされるモデルもあります。
この場合は流石に帯域不足になる可能性があるので、
パスを分けて構成することをおススメします。
ここまで書きましたが、
最終的には設計ポリシーなどあると思いますので、
そのあたりも加味して、自社でご判断くださいませ。
今回の投稿は、以上です。